『道は開ける』 デール・カーネギー

『道は開ける』 デール・カーネギー

 

悩み、不安を解消する生き方の原則を述べた本。

 

1,今日一日区切りで生きる

 悩みは、常に過去や未来のことに気を取られている人に訪れる。過去は割り切るべきだ。未来に対して計画を立てるべきではあるが、常に未来を心配する必要はない。朝起きてから寝るまでに注意を集中するべきだ。

 

2,悩みを解決するための魔術的公式

①「起こりうる最悪の事態とは何か」と自問すること

②やむを得ない場合には、最悪の事態を受け入れる覚悟をすること

③それから落ち着いて最悪状態を好転させるよう努力すること

 悩むことと考えることは違い、悩んでいるときには思考力がなくなってしまう。

 悩んでばかりいるときは、まず最悪を考え、それを受け入れることで、もうどう転んでもそれ以上にしかならない状態を作るのがよい。すると気持ちを落ち着けて、思考力を取り戻すことができる。そして、実際に行動を起こすことができるようになる。

 

3,悩みがもたらす副作用

 悩みが具体的な病気や体の不調と密接に結びついていることを説いている。悩みがもたらすのは、ニキビ、発疹、白髪、抜け毛、しわ、虫歯、関節炎、胃潰瘍、心臓病、甲状腺の異常、などなど極めて多岐にわたる。特に関節炎ではほとんどの原因が悩みによるものだといわれているし、極めて頑丈な人間でも悩みによる病気からは逃れられない。悩みは健康にとって最も有害なもののひとつである。

 

4,悩みの分析と解消法

 2で述べた公式だけですべての悩みが解決できるわけではない。悩みを解決するためには、以下の四つの順番で思考するのがよい。

1,私は何を悩んでいるか?

2,それに対して私は何ができるか?

3,私はどういうことを実行しようとしているか?

4,私はそれをいつから実行しているか?

 まず問題がなんであるか把握できなければ解決は当然できない。悩んでいる人はこの当然の事実に気づいていないことが多い。また人間は自分の考えに沿った事実しか集めたがらない傾向があるから、他人のために事実を集めていると思って、あるいは、自分とは反対の立場から事実を集めていると思って情報収集するのがよい。

情報収集が終わったら自分ができる行動の選択肢を考え、そしてそのうち一つを選択する。大事なのは、行動を選択したら即座に行動に移し、振り返らないことだ。ある一定以上考えても混乱と悩みが増すだけになってしまうというラインがある。そこに到達したら、もう考えるのをやめ、行動することだ。